Tさんを思う知人からのメッセージ

昨年10月4日に防衛省沖縄防衛局職員への暴行容疑でTさんが警察に拘束されてからすでに100日以上が経ちました。
現在も沖縄現地をはじめとする日本全国から数多くの方々が、同じく拘束中である沖縄平和運動センターの山城博治議長やIさんら共にTさんの早期釈放を求め、力強く、かつ粘り強い支援を続けて下さっていることに、仲間のひとり、友人のひとりとして深く感謝しております。

この100日の間にも沖縄・高江のヘリパッド反対運動を巡ってはさまざまなことが起こりました。
中でも、先日東京メトロポリタンテレビジョン(東京MXテレビ)で放送された「ニュース女子」(DHCシアター、BOY’S TV DIRECTION COMPANYの共同制作)なる番組による、高江のヘリパッド工事反対運動に対するデマ報道は、参加者、関係者を深く傷つける内容でした。プロテスターのみならず、社会参加はすべてが打算で、彼らにとってはボランティアやサポーターのような「無償の行為」もあり得ないのではないかとすら思えてしまいます。しかし人は気持ちを揺れ動かされる出来事に対して何の見返りも求めなくとも行動するものです。

人には生活があります。人々はそれぞれの生活の中でできる範囲の支援をしていきます。
現地での反対行動に参加する者、カンパという形で行動を支援する者、時間やお金が作れなくとも高江の現状やその反対行動を全国に伝え広げていく者。人々はそれぞれの生活の中でできる範囲で、できるだけのことを持ち寄り、共有し、反対運動を動かしています。ひとりひとりの「生活」が社会運動の原動力であり、それは守られなければならないものです。
昨年の7月の参院選後、高江の現状を知ったTさんは「今行かなければ後悔する」と単身沖縄へ向かいました。彼の掛け声で東京、大阪から決して少なくない人たちが高江での行動に共鳴し、現地の行動に参加しています。Tさんもまずこの日本で生きる「生活者」として、沖縄で繰り広げられる構造的な差別を見過ごすことができずに行動に参加したのだと思います。
しかし今、その彼の「生活」を警察は多分に恣意的な逮捕という形で破壊しようとしています。

Tさんは以前にも同じような経験をしています。
2013年、東京・新大久保、大阪・鶴橋を標的にした在特会やその関係者による差別扇動デモに対して大規模な反対(カウンター)行動が起こりました。Tさんは<非暴力超圧力>を掲げた「男組」というグループを率い、その行動の中心的な人物のひとりであり続けました。まずは目の前で行われているヘイトデモによる差別行為を身体を張って止める。それがTさんと我々のやり方でした。
「ヘイトスピーチ」という言葉が日本でも浸透し、直接行動という手法は翌2014年春頃を境に徐々に収束していきます。差別反対の行動のフェーズは具体的な法整備に向けたロビイングなどに移行していったのです。
しかし2014年7月、差別反対の新たな行動を模索する中、Tさんも自分自身の生活を建て直すべく、新しい職場での仕事も軌道に乗ってきた矢先、前年の些細なトラブルを蒸し返した大阪府警による大量逮捕によってTさんの生活は破壊されました。あの時の憤りを私は今も忘れることができません。権力は容易に個人の生活を破壊します。
今回もまた同じようなことが起こりました。

私はTさんの生活を取り戻したい。高江の異常事態を知り、歴史的な沖縄の構造的差別を実感し、反対行動に関わり、声を上げ、社会に発信していく。その行動は主義主張は別としても、一生活者、一社会人として当然の感覚であり、また当然の権利を行使です。そんな人間の生活を簡単に奪うことになってはならない。
山城博治議長たちと共に、Tさんが一刻も早く一日も早く釈放され、まず一生活者としての日常を取り戻せるよう、皆様のご協力をお願いいたします。

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