Iさんからの手紙3

Iさんからの手紙、3回目となります。狭い所に押し込められている苦悩の中でも、精力的に読書されている様子が書かれています。

 

1月28日(土)

一昨日、公判前準備手続きとやらがあり、山城さん、Sさんと法廷で初めて顔を合わせました。およそ3ヶ月ぶりです。やややせた感じを受けましたが、裁判長を見つめる山城さんのまなざしには、力がこもっていました。言葉を交わすと接見禁止の懲罰もありうるということで目だけのあいさつでしたが、互いに微笑み返す余裕はありましたね。3人の罪状がふたりづつだぶっているので、公判への手続きも煩雑なようで、裁判長の口振りも(この程度の罪状で面倒だな。早く済ませよう)というような感じでしたね。

それにしても逮捕されて公判まで5ヶ月。この異様に長い勾留は何ですか。机上で簡単に勾留延長を決める彼らの心情が理解できません。拘置所に10日入ることがどういうことなのか、彼らは想像したことがあるのだろうか。3日でいいから経験してみろ!と言いたいですね。名護署にいた時と違っておとなしくしていますが、内心は怒りに充満しています。

 

29日(日)

週末は一歩も外に出られない。これがキツイ。本を読むか、狭い部屋の中をうろうろするしかない。熊のように冬眠できればなぁと思う。釈放3月末とすれば、ようやく半分過ぎたというところか。先がまだ長い。

 

1月31日(火)晴 67日目?

朝、中庭からかけ声が聞こえてくる。作業を開始する前に受刑者たちの声のようだ。朝、昼、晩の配膳、衣類の洗たく、掃除など拘置所内の雑務は彼ら受刑者にまかせているようだ。服装でわかる。部屋から出て作業をしている彼らがうらやましい。替われるものなら1ヶ月でも替わってほしい。

本が続々届いてありがたい。特殊な状況であるにしろ、こんなに集中的に本の虫になったのは初めてだ。沖縄戦の情況に始まり、琉球の歴史、基地問題、ダイオキシン、従軍慰安婦とランダムに読んでいくうちに、中国福州へ進貢船で渡った先駆的な琉球人に興味がわき、想像をかき立てられ、久米村から客家人、明朝の時代背景が気になり出し、3年前までいた中国の歴史をまた読み直しているのです。秦の始皇帝までさかのぼってしまったので、しばらくは中国古代の風に吹かれていますが、1週間後ぐらいには冊封使の船に乗って那覇に戻り、沖縄戦を再び想像で巡ってみたいと思います。

書籍の差し入れ、重ねてお礼申し上げます。勾留期間は2ヶ月までで、1ヶ月ごとの延長になるらしいので、あと少なくとも1月、もしかしたら2回の延長もありそうです。ケサラサラの心境です。

2/1

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